西尾市剣道連盟
2021 年頭所感
新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
例年であれば本連盟会員の活躍を紹介し、さらなる活躍を期待するご挨拶とありますが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のため、活動自体を自粛せざるを得ませんでした。
コロナ禍は、特にスポーツ界には多大な影響を与えています。東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、プロスポーツや学生スポーツ大会などを全く開催できない時期が続きました。徐々に再開されるようになってきましたが、感染リスクに細心の注意を払いながら、規模や観戦者の人数を制限しながら再開となっています。
剣道も約3ヵ月以上にわたり、対人稽古や試合のできない状況が続きました。その後、全日本剣道連盟から稽古再開に向けてのガイドラインが示され、段階的に稽古ができるようになりました。ただ、今までとは違い、面マスクやフェイスシールドをつけ、手洗いやうがい、消毒など随分と変わった状況になりました。コロナ感染対策をしながらの稽古内容やトレーニング方法など、あらゆる面に創意工夫が求められました。
現在も稽古方法、大会運営は試行錯誤の段階です。第65回中部日本剣道大会についても、あらゆる角度から検討した結果、やむなく中止の決断をしました。
しかし、剣道ができない3ヵ月は、私たちにとって剣道がどれほど生きる支えになっているかを教えてくれました。稽古を再開するための創意工夫は、決してむだにはならないでしょう。大会の中止さえも、これからの大会運営を見直す機会とすれば、次へと生かせるのではないかと思います。
また、コロナ禍においても「武道の精神」は変わらずに保ち続けることが大切であると感じています。自分を律し、心と身体を鍛え、強さを身につけ、他人にやさしく、社会に役立つ人間となる、そんな武道のめざす、人としての在り方は、先が見えない閉鎖感漂う状況下だからこそ、いっそう存在価値を発揮するのだと思います。
いつの時代もスポーツは人々に夢や希望を与え、地域を結び、活気をもたらしてくれる存在です。今は大きな変化の過程において手探りの状況ですが、そういう状況であるからこそ考え抜き、知恵を出し、明るい未来をめざして発展していければと思います。